一.現地で羅盤を使うか、図面でも根拠を示せるか
第一の確認点は、方位の測り方です。風水の診断は、建物の坐向、すなわち正確な向きの計測から始まります。 訪問鑑定であれば、羅盤や方位磁石で実測するのが本来の姿です。 地図アプリの向きと実際の磁北にはずれがありますし、二十四山という細かな方位区分では、数度の違いで盤が変わることさえあります。 訪問なしの図面鑑定の場合でも、良い鑑定師は「どうやって坐向を確定させるか」を説明できるはずです。 測りもせず、確かめもせず、「南向きだから」と話が始まったら、少し立ち止まってよいと思います。
二.流派と根拠を語れるか
第二に、その先生が「何派の、どの理論で」診ているかを語れるかどうかです。 風水には形勢(巒頭)と理気の二本の柱があり、理気だけでも八宅、玄空飛星、三合など複数の体系があります。 それぞれに原典があり、たとえば風水という言葉そのものの出どころは、次の一節です。
大切なのは、お客様がこの句を知っている必要はないということです。 知っているべきは鑑定師の側で、「なぜこの配置が良いのですか」と尋ねられたとき、流派の理屈に沿って平易に説明できるかどうか。 「昔からそう言われています」「私には視えるのです」だけで押し切る鑑定は、検証のしようがありません。 根拠を問われて嫌がる専門家は、どの分野でも同じ色をしています。
三.診断で終わらず、処方まで出すか
第三は、鑑定の出口です。あなたの家は良くない、この方角が凶だ。そこで終わる鑑定は、実は半分の仕事しかしていません。 住む人が知りたいのは吉凶の宣告ではなく、では明日から何をどうすればよいか、のはずです。 家具をどう動かすか、どの部屋の使い方を替えるか、動かせないものはどう手当てするか。 実行できる処方まで下ろして、はじめて鑑定は暮らしの役に立ちます。 依頼の前に「鑑定の結果は、具体的な改善案までいただけますか」と尋ねてみてください。 良い鑑定師なら、むしろ喜んで答えるはずです。
四.高額な物品の販売が主目的になっていないか
第四に、これは言いにくいことですが、書かねばなりません。 鑑定そのものより、開運グッズや置物の販売で利益を上げる業態が存在します。 もちろん、理にかなった化煞の道具を適正な価格で勧めること自体は正当な処方の一部です。 問題は、鑑定のたびに数十万円の物品購入へ誘導される構図です。 見分け方は単純で、料金体系が事前に明示されているか、そして「買わない」と言ったときの態度です。 当方の考え方は料金のご案内に全部書きましたが、 どの鑑定師に頼むにせよ、費用の全体像が最初に見えることは、信頼の最低条件だと思います。
五.効果への責任を、どう考えているか
最後は、いちばん本質的な点です。風水の処方は、施したら終わりではありません。 効いたのか、効かなかったのか。効かなかったなら、なぜか。 そこまで見届ける構えがあるかどうかで、鑑定師の真剣さは分かります。 アフターフォローの期間を設けているか。処方後の質問に応じるか。 私自身は、法人鑑定で「効果にご納得いただけなければ残額不要」という後払いを続けていますが、 これは自慢のためではなく、結果に責任を持つと決めると鑑定の質が変わる、という自戒のためです。 依頼の前に、「処方のあとのフォローはありますか」と一言尋ねる。それだけで、多くのことが分かります。
むすびに
五つ並べましたが、根っこはひとつです。良い風水師は、検証に耐える形で仕事をします。 測り方を見せ、根拠を語り、処方を出し、費用を明示し、結果に向き合う。 逆に言えば、神秘のベールの向こうに引っ込んだまま出てこない鑑定は、 どれほど高名でも、あなたがその良し悪しを確かめる術がありません。
風水は本来、千年の検証に磨かれてきた、開かれた技術です。選ぶ側のあなたが遠慮する必要は、何ひとつありません。 よい問いをぶつけて、よい鑑定師を選んでください。 その問いに正面から答える誠実さこそ、何よりの鑑定力の証だからです。