05

断易

Wu Xing Yi / Five Elements I Ching

概要

断易は、五行易とも呼ばれる、中国卜術の代表格です。その源は漢の京房が大成した納甲の法にさかのぼります。 周易の六十四卦に十干十二支と五行を組み込むことで、漠とした卦の象を、具体的な吉凶へと翻訳できるようにしました。 のちに『卜筮正宗』や『増删卜易』といった名著によって整えられ、実占の術として今日まで受け継がれています。

生年月日から人生全体を読む命占に対し、断易は卜占、すなわち「いま、この問い」に答える術です。 問いを立てたその瞬間の天意を一卦に写し取るため、相手の生年月日が分からなくても占えるのが、大きな強みです。

易を占う、いくつかの道

同じ易を用いる占いにも、いくつかの流れがあります。 もっとも古いのは周易で、易経に記された卦辞・爻辞という言葉に問いを重ね、その含意を読み解いていく方法です。哲理に重きを置く、味わい深い占い方です。 また梅花心易は、目に映る数や物の象から、その場で即座に卦を立てて機を捉える、軽やかで直観的な術で、北宋の邵雍に帰せられます。

こうした易の占いのなかで、断易は少し趣が異なります。納甲によって干支と五行を卦に組み込み、吉凶を理詰めで明快に割り出すのです。 言葉の解釈に委ねるのではなく、五行の生剋という確かな物差しで答えを導くところに、断易ならではの強さがあります。

断易の組み立て

一卦を立てたら、その六本の爻に、いくつもの情報を重ねて読んでいきます。

納甲

六本の爻のそれぞれに干支と五行を割り当てる、断易の土台。これにより卦が時の暦と結びつきます。

六親

父母・兄弟・子孫・妻財・官鬼の五つの類。問いの相手や事柄を、この関係のどれにあたるかで捉えます。

世爻と応爻

占う本人を表す世爻と、相手や相手方を表す応爻。両者の関係が、事の行方を映し出します。

六神

青龍・朱雀・勾陳・螣蛇・白虎・玄武。六つの神を爻に配し、出来事の色合いや兆しを読みます。

用神を立て、月建・日辰に問う

読みの中心になるのが用神です。占う事柄そのものを表す一爻を用神として定め、それを生かす原神、剋する忌神との力関係を見ます。 財運を問うなら妻財を、就職や訴訟を問うなら官鬼を用神に取るというように、問いごとに据える爻が変わります。

その用神が、占った月(月建)と日(日辰)から見て旺んなのか、衰えているのか。 動いた爻や、変じた爻が、用神を助けるのか妨げるのか。こうした生剋と沖合を丹念にたどることで、 事の成否はもちろん、それがいつ動くのかという応期、すなわち具体的な時期まで導き出せるのです。

断易の三つの強み

私が数ある卜術のなかで断易を重んじるのは、三つの強みゆえです。 ひとつは、吉と凶をあいまいにせず、的確に判別できること。進むべきか退くべきかを、はっきりと示してくれます。 ふたつは、長く実占に磨かれてきた、その的中率の高さ。問いの立て方さえ確かなら、驚くほど正確に事の行方を言い当てます。 そしてみっつは、改善の手立てが多彩なことです。

たとえ凶と出たときでも、断易は「では、どうすればよいか」まで教えてくれます。 動くべき方位、待つべき時期、控えるべき行いを具体的に示し、流れそのものを変えていく。 占って終わりではなく、その先の一手まで描けること。そこにこそ、断易の真価があると私は考えています。

問わば即ち答えあり。
天意は卦に宿る。

何がわかるか

  • 「この契約は成立するか」「この商談はうまくいくか」など具体的事象の成否
  • 「転職すべきか」「この物件を買うべきか」など決断の判断材料
  • 失せ物・尋ね人・出張先での出来事の予測
  • 事が動く具体的な時期(応期)の特定
  • 恋愛・人間関係における今の状況分析
  • 病気・トラブルの推移と回復の見通し

こんな方におすすめ

  • 具体的な事柄について明確な指針が欲しい方
  • 命占(四柱推命など)の結果を補完したい方
  • 緊急の判断を迫られている方
  • 失せ物や行方不明者の手がかりを求めている方
  • 商売や仕事の具体的な見通しを知りたい経営者

森泰成の鑑定アプローチ

断易は問いの立て方一つで答えの精度が大きく変わる、繊細な占術です。 私の鑑定では、お客様と十分に対話を重ね、本当に知りたい事柄を明確にした上で立卦を行います。

また、四柱推命や紫微斗数で読んだ長期的な運勢の流れに、 断易による「今この時の天意」を組み合わせることで、 戦略と戦術の両面からのアドバイスが可能になります。